成年後見
(1)成年後見制度について
認知症や知的障がい、精神障がいなどの理由で判断能力が不自由な方は、不動産や預貯金などの財産を管理したり、身の回りのお世話のための介護などのサービ スや老人ホームなどの施設への入所に関する契約を結んだりする必要があっても、自分できちんと判断することができないことがあります。
そ のため、年老いた親の介護や財産管理は誰もが避けて通れない問題です。離れて暮らす親が、よく分からないままに契約を結んでしまい悪徳商法の被害にあった りすることもあります。また、障がいのあるお子さんを抱えて、自分が亡くなった後の子どもの将来を心配される方もいらっしゃるでしょう。
こ のような判断能力の不十分な方々を保護し、支援を行う制度が、成年後見制度です。成年後見制度では、本人の判断能力の程度に応じて、補助、保佐、後見とい う3つのメニューが用意されており、本人にかわって財産管理や身上監護を行ったり、本人の行う契約に同意をしたりして、判断能力の不十分な方への支援を行 います。
もちろん、事実上、親族等に財産管理等をお願いすることもできますが、成年後見制度を利用した場合は、家庭裁判所の監督を受けながら財産管理等を行うため、より適切な支援が期待できます。
当事務所は、成年後見の申立代理だけでなく、当事務所所属の弁護士が親族に適切な後見人候補者がいない場合の候補者になり、あるいは「成年後見人になったのだけれど、どのようにすればいいか分からない」といった人への支援を積極的に行っています。
(2)とくしま絆ネット
高 齢者や障害者の権利を守ろうと、弁護士や県社会福祉協議会、 司法書士でつくる成年後見センター・リーガルサポート徳島支部、県社会福祉会の権利擁護センターぱあとなあ徳島、徳島市社会福祉協議会の5団体が中心とな り、とくしま高齢者・障害者権利擁護ネットワーク(愛称・とくしま絆ネット)を設立しました。専門職の各団体が連携し、 権利擁護に取り組むのは全国的にも珍しく、平成23年10月から本格的に活動をし、当事務所の弁護士も加わっています。 活動としては隔月第2土曜日の午後に無料相談会を開くほか、 各地の地域包括支援センターや障害者相談支援事業所の職員に対する学習会を行い、 個別ケースの支援策を協議する場に弁護士ら専門職を派遣しています。 少子高齢化や希薄になった地域社会のつながりなどを背景に、 資産管理のほか、虐待、悪質商法被害などから高齢者や障害者の権利を守る必要性が高まっていて参加団体は、 そ
れぞれの専門性を生かして権利擁護に向けた支援や意識啓発に取り組んでいます(とくしま絆ネットへの問い合わせは、県社会福祉協議会地域福祉課(電話 088-611-1155)まで)